昨日は大変な事が有った。
いや、私にとっては大変な事なのだが、
人によっては、どうって事は無く、鼻で笑って終わりとなるような事である事を、
最初にお断りして置きたい。
と言うのは、私は都会っ子で、
いや、それ以上に情け無い弱虫で、
大の蜘蛛嫌いなのである。
私が風呂の湯を張って、さあ入ろうとした時に、それが出て来た。
大きさは直径8センチ位だろうか。
人によっては、どうって事の無い大きさかも知れないが、
私にとっては、その大きさになるともうダメなのだ。
しかも素っ裸で、もう鳥肌ものだ。
おまけに足が痛いと来て居るから、
飛んでは逃げられない。
生憎、妻は外出中なので、
私のようにはひ弱で無い田舎育ちのお手伝いさんを大声で呼んだのだが、
兎に角、タオルで下半身を隠さなければならない。
私は慌てて下半身を大きな湯上りタオルで隠し、
お手伝いさんが来るのを待った。
と言うのは蜘蛛は逃げ足が早いから、
ずっと見張って置かなくては、
見失うと何処に行ったか分からなくなるので、
若しそうなると、落ち着いて風呂に入れなくなるからだ。
間も無くお手伝いさんが来てくれたのだが、何も持って無い。
殺虫剤とマスクと蝿叩きを急いで持って来てくれるように頼んだが、
何分動きが鈍い。
頼りにはなるのだが、如何せん元気な時の私のようにはパパッとは動けない。
その点、妻は素早いのだが、
悪い時には悪い事が重なるもんで、
肝心な時に妻は居ない。
なんて事を蜘蛛を睨みながら考えて居ると、
いつの間にか蜘蛛が居ない。
さあ大変。
お手伝いさんが来たものの、
蜘蛛が隠れそうな所は山ほど有る。
スポンジの裏やガス給湯器の裏、それに電気湯沸かし器の裏など、
くまなくスプレーして貰うと、
私もマスク無しでは居られ無くなったが、
生憎、私の分は無い。
それも、お手伝いさんが折角私の分も持って来ましょうかと聞いてくれたのに、
その時は焦って居たので、要らないと言ったのだ。
その内スプレーが無くなったので、
お手伝いさんに別のものを持って来てくれと言うと、
もう無いと言う。
そんな筈は無いとイライラして言うと、探しに行った。
かなり時間が経って、3本持って来た。
それ見ろと心の中で思ったが、それは言わず、
よく見ると、下のタイルに死にそうに蜘蛛がヨタヨタして居る。
私は早く蝿叩きで叩いてっ!と叫ぶと、
お手伝いさんはティッシュタオルで摘んだ。
やれやれ、これで一件落着。
唯、窓と扉は開け放して換気扇も点けては居るものの、
マスク無しではこのまま入れない。
まさかお手伝いさんのマスクをする訳には行かないので、
サラのマスクを持って来て貰った。
さて、マスクをして湯に浸かる事の何とも言えないものよ。
やっぱり少し息苦しさは有るものの、
やっと湯に浸かって、痛い足も心地良い事よ。
この病は湯で温めると痛みが和らぐのだ。
と言う事で、真にお粗末なお話でございました。
最後までお付き合い頂きまして、誠にありがとうございました。
―幕―
昨日撮り忘れた抗ウィルス剤のアシクロビル
1錠6バーツ(約20円)。