タイの過ごし方(其の15)
去年の5月頃、このタイトルで14回に亘って記述したが、
最近、或る日本人夫婦のタイ移住希望に触れ、
もう一度この問題について考えさせられる事が有った。
このチェンライ在住者については、タイ人妻夫婦の占める割合が、
単身者や日本人夫婦よりも圧倒的に多いと思って居たが、
最近の傾向としては、日本経済の停滞や国土の灰塵化により、
必ずしもそうでは無くなりつつ有るのでは無いかと言う事。
つまり、タイ人妻夫婦と言うのは元々特殊な例で、
そうでは無い一般的な国民が移住を強めて居るのではないかと思うようになった。
元よりチェンマイでは昔からタイ人妻夫婦と言うのは少数派で、
チェンライの特殊性が段々薄まって行く傾向に有るのではと思われる。
それが近年、私が在住者と触れて感じる傾向のように思う。
具体的なデータも無くて、全く主観の話だが、
私の身の回りではそう言う事になって居る。
相変わらずタイ人妻を求めてと言うケースも有るのだが、
必ずしもそれに拘らないようになって来て居るように思える。
要するにタイで生活さえ出来れば良い。
タイ人妻も欲しいが、日本では住み難いから兎に角タイで住みたい。
そう言う処が本音では無いだろうか。
一時、年金難民と言う言葉が盛んに言われたが、
近年の傾向としては、年齢に関係無く移住者が増えて居るように思う。
若者の車離れ、結婚離れも其の要因の一つとはなって居ないだろうか。
若者の場合は年金も無いから、最初はバンコクへ。
中には田舎に飛び出す者も居る。
最近はネットで稼ぐ方法もあるらしい。
そこまで行かなくても、コールセンター。
これは賃金の安い国外で、国内と同じ機能を果たすと言う事で、
今はバンコクに集中して居るが、
いずれ似通った機能を田舎でも果たせるようになるのでは無いか。
今の所ネットで稼いで居るのは若者のごく一部だろうが、
このコンピュータと言うものは爆発的な発展性が有る。
私のような者でもそれなりの収入が得られる時代が来るかも知れない。
それは兎も角、この辺境の地のチェンライで、若者を受け入れる余地は有るのだろうか。
単に気候風土が良いと言うだけでは人はやって来ないだろう。
そこには或る程度のインフラも必要かも知れないが、
もっと必要なものは、人と人との肌の付き合い。
良好な関係を在住者同士で築ける為の何らかのネットワークの構築が必要では無いか。
既に在住者である我々の努力も必要だろう。
書き出して見ると、これから移住して来る人へのアドバイスと言うより、
自分自身の生き方と言う話になってしまった。
いやこれは、これから移住して来る人も、こう言う思いで来て貰いたいと言う願望の話でも有る。