タイに住んで10年(其の8)
あと数日で、早期退職後の来タイ日から10年経つ。
10年経って、どうやら今後の生き様が見えて来た。
何も無ければ、母と同じ様に死に往くのだろう。
私は母の死に様を見て来た。
何も無ければと言うのは、例えば交通事故でポックリ死ぬかも知れない。
いや、ポックリ死なずに、怪我で寝たきりとなるかも知れない。
それなら心筋梗塞でポックリ死んだ方が楽だ。
いやそれも必ずしもポックリとは往かないかも知れない。
父の様に、何度も発作を繰り返し、苦しい目をするかも知れない。
だが多分母と同じ様に、ゆっくり死に向かうのだろう。
後に残された妻は、悲しいだろうが、彼女には近くに親族が居る。
私には居ない。
若し逆なら、大変な事だ。
また一からパートナーを探さなければならない。
そうなると地獄だ。
在留邦人で孤独死が在ると言う。
私は妻より先に死にたい。
寝たきりでもいいから、先に死にたい。
寝たきりになったら、安楽死を望むかも知れないが、
未だタイでは一般的では無い。
寝たきりになれば、認知症になって、そんな事も分からなくなるかも知れない。
今の内に終活をして置かなければ。
妻が無事に遺族年金が貰える様に、今出来る事はして置かねば。
それさえあれば、妻は悲しくとも、何とか生きては往けるだろう。
出来る事なら、母と同じ様に長生きをして、
ゆっくりと死に向かいたいものだ。
母は96で亡くなったから、私には未だ28年間残されて居る。
28年て長いんだろうか。
10年はあっと言う間に過ぎたから、恐らくきっと、あっと言う間だろう。
彼女と結婚してからの20年も、あっと言う間だったから。
一昨日の朝食 エビ卵焼飯
昨日の朝食 ホットサンド
昨日の昼食 刺身と茶碗蒸し
もし後30年生きたなら、妻との結婚生活は50年となる。
日本では、金婚式と言うそうだが、
タイにはそう言うものは無いから、私の心の中で祝う。
死ぬ時には、「先に死んでご免」と心の中で呟くだろう。
そして母と同じ様に、「ありがとう。楽しかった。」と言って死にたい。