昔語り

2024/08/11 21:31

無性に貝のニッキや昔の駄菓子の赤い生姜板？が懐かしく成る時が有る。
日本で長く住んで居た家の斜め向かいの家が煎餅屋だった。
時代の流れか途中で廃業されたが、２種類の煎餅をよく覚えて居る。
家の奥で機械で作られて居た。
他の店では見掛けない煎餅だった。
其処の子ともよく遊んだ。
一番よく遊んだ其の隣の子の家は早くに引っ越して行った。
勿論、私の家の隣の子ともよく遊んだ。
社長の家の子で、子供心に何となく遠慮して居た様な気がする。
今から思うと別に遠慮せずとも良いのに、笑えてしまう。
一つ上の近所の鉄工の子の名前を呼び捨てにした事が有る。
怒って居たが、私も結構生意気だったんだ。
子供時代の近所はまるで子供の世界だった。
車も余り通って無かったので道でよく遊んだ。
今の子は何でも有って羨ましいとも思うが、私の子供時代の方が幸せだったのかも。
結婚を機に一度学区内で引っ越してから、元の向かいの家のおばさんが亡くなられた時、母は大層悲しんだ。
それまで毎日二人でお喋りをして過ごして居たのだ。
同じ学区内と言っても、向かいに住んでるのとは全然違う。
良かれと思った引っ越しも、顔見知りと別れると言う悲しい面が有る。
大きな交差点の近くで、母は大層喜んで居た。
何処に行くにもバス停が近くで便利に成った。
私も買い物に行くにも、東で買い物をして、家の前を通り過ぎて西で買い物をすると言う事がしばしばだった。
街のど真ん中と言う事だ。
若し引っ越して無ければ、煎餅屋の子ともしばしば顔を合わせる事も有っただろうに。
私より二つほど下だったから、今は７２か３。
今はどうして居るのだろう。
引っ越すと言う事は良い面も有るが残念な面も有る。
タイに移住した今は露天風呂に入り、木の茂る庭を眺めれば、飛行機の喧しい騒音も我慢出来る。
真上を飛行機が飛ぶのだ。
一つぐらい短所が有るのは止むを得ない。
この先は腎臓が良く成って、前の様に元気に暮らしたい。