チェンライの日々

タイ(チェンライ)に住んで15年。日々の暮らしを綴ります。

喫茶店のハシゴ


近所の喫茶店の前を通ったらドアが開いて居て、
オープンの看板が外に出て居た。
思わず車から降りて、中に入って「中で飲む?」と言ったが、通じなかった。

コロナで今まで持ち帰りのみだったのだ。
舞い上がって言葉が出て来ない。
横に座って居た女性の常連客が通訳してくれた(彼女もタイ人だが…)
「此処で飲んでもいいか」と。
車を置き直して中に入り、今日は中側の席に座った。
窓側のテーブルは真ん中に座ると脚がつかえて足に当たるのだ。
そして、菓子パンコーナーを見て居ると、店長がニコニコして「今日は有りません」と。
仕方が無いので家にクッキーを取りに帰った。

店長はそれを見てまたニコニコして居る。
店に戻って落ち着いてから「いつから開いてるのか」と訊くと、
「今日からです」と。
今日は風邪気味で少し頭が痛かったせいか、
窓から見える故郷の景色に慣れるのに少し時間が掛かった。
表通りが少々喧しかろうが、そんな事は関係無い。
やっぱり此処が故郷だと思い、
久し振りにこの店でタイ語の勉強を始めたのだが…。
いつもの喫茶店の事が気になって来た。
今日は来ないのかと気を揉んで居るのではと。
店員の顔が目に浮かぶ。
今日は此処に決めてハシゴはしないつもりだったが、
とうとう浮足立ってしまった。
風邪気味で頭も少し痛いしどうしようかと悩みながら、
取り敢えず店の前まで行って、無理だと思えば入らなければいいのだと思った。



行って見ると車が沢山止まって居る。
中に入ると、いつもの友達や知人が居た。
近所の喫茶店が開いて居た事を早速報告。
彼らが帰った後、意外な事に、やっぱり此処が故郷だと言う思いが沸々と沸いて来た。
若しかしたら最近行き慣れてるのでそう思うのか、
或いは、後で来たからそう思うのか、
今度は順番を逆にして試して見よう。
そして、暫くどちらも通ってから、どちらが故郷か考えよう。
と言うか、此の喫茶店に来て、近所の喫茶店に対する思いが吹っ飛んだのは意外だった。
何て薄情なんだろう。
何て浮気性なんだろう。
いや、逆に一途なのかも知れない。
暫く通うと直ぐ情が沸く。
新しい喫茶店に通い詰めてもう2か月近くになろうとして居る。



さて、夜は中華丼。
今日の事をしみじみ思い出しながら喰う。
それもまた楽しからずや。