チェンライの日々

タイ(チェンライ)に住んで15年。日々の暮らしを綴ります。

ミャンマーのパスポート

 外国人は90日毎に自分の現住所を入国管理事務所に届出なければならないが、これをよく忘れる。備忘録としてパソコンの日程表に書き込んで置くのだが、今回はそれも忘れていた。何となく次回は今月だと言うことを思い出して、パスポートを見たら、90日は過ぎていた。でも一週間以内ならOKだ。そこで妻が「女中さんの90日届けはどうなっているの」と訊いた。「そうだ彼女も確か今月だったと思う。」女中さんにパスポートを見せてと言ったら、緑のパスポートを持って来た。妻が「これじゃ無くて、茶色のやつ」。そしたら女中さんは古い茶色のやつを持って来た。「これじゃ無い。新しいやつ。」と妻が言ったが、女中さんは「これしか無い」。妻はビザのスタンプが押してある頁のコピーを持って来て「このスタンプが押してある茶色のやつ」。私もてっきり茶色の新しいパスポートがあったはずだと勘違いして、女中さんに茶色のパスポートを探すように言った。我が家に住み込みの女中さんは、ミャンマーの人で、我が家に来てもう4年になる。以前母の介護のために来て貰ったのだが、母が亡くなった後もずっと働いて貰って、今では家族のようなものだ。唯、タイ語が完全ではないので、こんなやり取りも本当に理解しているのかどうかまどろっこしい面もある。彼女の弟はタイ語が完璧なので、携帯で彼に通訳して貰ったが、結局のところ緑のパスポートしか無いと言うことだ。そこでふと気付いたのだが、このスタンプは此の緑のパスポートに押されてるのではないか。確認して見るとそうだった。まさかこんなオモチャ見たいなパスポートに押されているとは思わなかった。緑のパスポートは仮のパスポートだと妻も私も思い込んでしまっていたのだ。と言うのも正式なパスポートで無いものを以前使っていたからだ。てっきり此の緑のパスポートは仮のもので、正式なものは茶色だと言う刷り込みが二人にはあった。でもビザのスタンプが此の緑のパスポートに有ると言うことは、他にパスポートが在るはずが無い。女中さんは半泣きになっていた。唯、90日は一週間以上(一週間+4日)過ぎていたので、罰金となった。妻は罰金を払ったから謝りもしない。それどころか、「ミャンマー人は手が掛かって困る」と息巻いて居る。私が「ビックリしたネ」となだめると、女中さんは「だから此れしか無いと言ったのに」と泣きそうになった。
 80キロ離れたメーサイの入国管理事務所で届を済ませて家に帰るとどっと疲れが出て、横になって暫く起きられ無かった。漸く起きてご飯を食べてテレビを見て一服してベランダに出ると、空はどんよりした天気だったが、何故か寒さも緩んでいてホッコリした。今日は大変な一日だった。