タイに住んで10年(其の7)
元々妻は料理は上手だったのだが、
来タイ後、母は余りタイ料理が食べられ無かったので、
ずっと日本料理ばかり食べて居た。
母は歯も悪く、辛い料理もダメだったので、
私も一緒に柔らかい日本料理ばかり食べて居た。
母が亡くなってもう3年経つが、未だにそれが続いて居る。
妻のタイ料理も、他のタイ人妻が羨むほど旨くて、
何かの時は、いつも彼女が中心となって料理をする。
実際、私も彼女の料理は、京都のタイ料理店に引けを取らないと思って居る。
いや、それ以上だと思って居る。
だから、彼女がトムヤムクンだとか、グリーンカレーなどを作ってくれると、
この上無く嬉しい。
それで、それらを和食と共に、日替わりメニューの中に組み込んで居る。
もっとタイ料理のメニューを増やしたい処だが、
如何せん歳と共に歯が弱くなって、スペアリブなど、
硬い料理の多いタイ料理は、増やし難くなって居る。
だから、日々の料理は、鶏粥、雑煮、蛤の吸い物や味噌汁のぶっ掛けご飯、
つまり、猫マンマとなって居る。
それに、すき焼、天ぷら、刺身、カレーと柔らかい物ばかり。
他には、おでん、コロッケ、ハンバーグ、豚カツ。
豚カツも柔らかいヒレ肉を使う。
お陰でこのままこう言う柔らかい料理なら、
歯が無くなっても死ぬまで困らないだろうと言う安心感も有る。
母が死ぬ間際まで食べて居たのは雑煮だったからだ。
母は総入れ歯だったが、認知症が進むとそれも使えなくなった。
今はインプラントと言う便利な物が出来て居る。
現に私も1本は、メーサイでやって貰った。
その歯医者には、総インプラントの写真の看板が、道路に立てて有る。
バンコクまで出張する名医だ。
私の一生はこれで安心。
私より先に死なないで。