そもそも何故タイか(其の4)
タイに来始めた頃、チェンマイに唯一の日本人食堂があり、
そこが日本人の溜まり場になっていた。
そこで色んな話が聞けた。
「私はカンボジアに行って来た。」
「私はベトナムに行って来た。」
「私はフィリピンに住んでいた。」
そこでほぼ皆の一致した意見は、タイが一番いいと言うことだった。
カンボジアやその他は治安が悪いだとか、日本人が少な過ぎるだとか、
人情味が無いだとか。
勿論魅力的な面もあるのだが、タイは何と言っても治安がいい。
それなりにインフラもしっかりしている。
人もいい、と言う話だった。
私はそれらの国に行ったことが無いので、何とも分からないが、
彼らが言うところのタイのいい面の大方は私も共感出来るので、
そうなんだろうなあと思った。
それにタイの国民は仏教を信奉しているので、
そう言うところも何と無く親近感があった。
勿論タイにも嫌な面はあった。
その頃はメータータクシーが無くて、
一々値段交渉をしなければならなかったし、
直ぐに値段をつり上げて来る。
そこで一度は他の国にも旅行して見たいと思うまま、時が過ぎて行った。
こちらに移住してからのことだが、
ある時、マレーシアに住んでる人が、タイに移住する覚悟をして来られたが、
ほどなくマレーシアに戻られた。
マレーシアはイスラム教のせいで、酒を買うのが不便で、
他にも色々不便だと仰っていた。
唯、気候は曇りが多く、タイより涼しいと仰っていた。
その人はやっぱりタイには馴染めなかったんだろう。
私が現役の頃、既に退職された職場の先輩から、
タイ移住について相談されたことがあった。
日本の島に住むかタイに移住するか迷っているとのことだった。
私は即座に反対した。
言葉も分からないのに日本人夫婦がタイに住むのは大変だと。
そして、日本の島に住むことを選択された。
でも、もしかしたらタイの方が良かったかもと今では思っている。
観光で来ていた頃は、タイは暑い国だと思っていた。
タイに移住して初めて分かったが、事のほか涼しい。
チェンライにも大きなスーパーが出来て、何も喋ら無くても物が買える。
市場でもタイ語の分からない観光客が買っている。
日本の野菜も何でもある。
現に在住日本人コミュニティーの代表者は日本人夫妻だった。
チェンマイの病院には日本人通訳者もいる。
私は妻がタイ人で、私も日常会話ならある程度喋れるので殆ど不便は無いが、
テレビ番組やカラオケなどは難しい。
私はタイの歌を歌って見たいと思っているので、
文字を何とか習得しようと思っている。
そう言えば、83でタイに来られた方が、その後文字を習得された例もある。
勿論会話もお出来になる。
暫くお会いして無いが、確か今年で98になられるはずだ。
何と言っても温暖な気候が長寿の秘訣かも。